センセイが好き―恋人は中学教師―
ここで少し、弟の蒼介を紹介しよう。
蒼介はいわゆる問題児というやつで、昔からよく教師を困らせていた。
荒れ始めたのは、小学五年生辺りからだ。
それまでも、担任を『先生』とは呼ばず
可笑しなあだ名を付けて呼んだり、授業中にいたずらをして呼び出されたりはしていた。
それでも、大人しかった方だ。
小学五年生の二学期になると、無断欠席や無断早退は当たり前。
授業中に隣のクラスのガキ大将と殴り合いの喧嘩をして
親が呼び出されることも多々あった。
タバコデビューは中一の三学期だったっけか?
中学入学以来は、笑うこともなくなったような奴だ。
「冬馬センセーと姉キ、くっついちゃえばいいのに」
「バッカ!!笑えないし!」
「ハハッ、赤くなってる!!
実は意識しちゃってたり??」
「そぉすけぇ!殴るわよ!!」
ケラケラと笑いながら謝る蒼介。
こんな姉弟らしい会話…
久しぶりだなぁ…。
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