センセイが好き―恋人は中学教師―



友人は震えながらあたしたちのやり取りを見ていた。


「本当に悪かったと思ってる!!
でも、つい出来心で…」



彼氏の言い訳なんか、もうあたしの耳には入ってこなかった。



三ヵ月間…


あたしは二人に裏切られ、騙されていたんだ…。



あたしは、つい先週

彼氏とデートしたときのことを思い出した。



前の日には、例の友人――唯子にのろけながら自慢話をしたっけ…。



当日は彼氏にすごく甘えたり…。




……ダサッ。



あまりに自分がダサすぎて、笑いさえ込み上げてくる。




そんなあたしの耳に、彼氏の懺悔の声が響いてきた。



「信じてくれ!!俺は、ちゃんと紗羽子のことを…」



信じろ…?



三ヶ月もあたしを騙し続けて?




ふざけないで…。





あたしの脳内の糸が、ブチンッと音を立てて切れた。




あーあ、ホント……




「ふざけてんじゃねぇよ!!!」





あたしの右ストレートにより



彼氏は顔面から地面に叩きつけられた。










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