センセイが好き―恋人は中学教師―
ただ、少し悔しい。
あたしも学校で勉強教える冬馬が見たかったな。
そんなコト思いながら、煙草を吸おうとサンリオのポーチを開けると
箱の中は空だった。
「買いに行かなきゃな…」
少し化粧を施せば、三、四歳は余裕でごまかせる。
財布を片手に家を出て
家から少し離れたコンビニで煙草を買う。
当たり前にやってるけど…
これ違法なんだよね〜。
煙草をポケットにしまい、コンビニを出ると
見覚えのある顔が見えた。
相手は嬉しそうに駆け寄ってくる。
「紗羽子姉ちゃ〜ん!!」
近所に住む、今中一の幼なじみ―奈々夏(ななか)だ。
ちっちゃくて愛らしい、妹みたいな存在で
いつも高い位置に結んだツインテールをピョコピョコさせている。
「なな、部活帰り〜??」
あたしは奈々夏の後ろでおどおどしている少女二人を見て言った。
「うん!紗羽子姉ちゃんは?」
「あたし?あたしは蒼介の担任が来てて、煩いから煙草買いに来たの」
「蒼にぃの担任って…冬馬先生?」
「うん…」
「いいなぁー!羨ましいー!!」
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