センセイが好き―恋人は中学教師―
冬馬は…
OKするわけない。
そう分かってても
すごく不安な気持ちが押し寄せたのは
奈々夏が魅力的な子だから。
「…そう…頑張って」
奈々夏はフラれる。
わかってるのに
こんなコトを言うあたしは
最低な女。
「ごめんねー、で、何の話だっけ??」
「先生おっそーい!」
「ごめんごめん」
「…そーだ。先生って彼女いるの?」
奈々夏は単刀直入に聞いた。
あぁ
そういえば。
あたしも聞いたコトなかった。
「彼女はいないよ〜」
「ほんとにぃ!?よかっ……」
「けどー!!」
奈々夏の言葉を遮るように
冬馬は大声を出した。
「好きな子はいる」
そう言った冬馬の視線と、あたしの視線がぶつかった。
…
な、なんで今目が合うんだよ!
奈々夏の告白を聞かないための嘘かもしれない。
偶然合っただけの視線かもしれない。
でも
それでもあたし
すっごいドキドキしてる…。
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