センセイが好き―恋人は中学教師―
「…あ、あたしは別に……」
「嘘つかないで…!」
奈々夏は縋るようにあたしの服を掴んで言った。
「ナナにはわかるの…!
ナナは紗羽子姉ちゃんたちからしたら子供かもしれない…。
けどわかる…。
紗羽子姉ちゃんが冬馬先生が好きなコトが…。
冬馬先生だって…」
語尾は涙声で掠れて聞き取れなかった。
「……ごめん…」
あたし
奈々夏は子供だから冬馬に相手にされないって
決め付けてた。
奈々夏を見下してた。
いくら中一っていったって
奈々夏だって、女の子なんだ。
あたしと同じように
冬馬を本気で好きなんだ。
「ごめん……奈々夏………ごめんねぇ…」
あたしは奈々夏をそっと抱きしめた。
あたし、最悪とかいう前に
卑怯だったね?
最初から奈々夏と勝負しようとしなかった。
ごめんね
奈々夏。
.