センセイが好き―恋人は中学教師―







額に


いつか感じた感触がした。




鼻をくすぐる甘い匂いは

飾り気のない冬馬の香り。







ドキドキ…ドキドキ…







静かにならないこの心臓の音は














あたし?








それとも、冬馬なの?















『一人にしない』










…その言葉の意味は…







もしかして…











冬馬は顔を真っ赤にして目を伏せた。







「……冬馬……?」



「…わかってる…わかってるよ。
…さわちゃんは、俺の生徒のお姉さんで……まだ未成年で…。
でも俺は教師で…




でも…だけど………ごめんね…」











……ごめん…?








…どうして…?





「…冬馬……なん…」


「……ごめんね…。






でももう……好きに…なっちゃったんだ……君のこと…」











顔を真っ赤にした冬馬は


物凄く可愛かった。







もうちょっと見てたかったんだけど


それは叶わなかった。













だって……















キス






されっちゃたんだもん。













冬馬に。
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