センセイが好き―恋人は中学教師―


いつものおちゃらけた声じゃなくて

とても真剣な声だった。



「は?」


「だからー、女の人抱いたことあるかって聞いてんの」


「…何を急に…」


「あたしはねー、まだなんだぁ。
初めては好きな人とって決めてんの!」




桜は、まるで将来の夢を話す子どものような目で俺を見た。




不覚にも、ドキッとした。





「…ふーん」



てか

俺もまだだけどね。





やっぱ、初めては好きな人と、だし?









…ふと

俺の腕の中でよがる桜の姿が、脳裏に浮かんだ。






…って





これじゃまるで俺が桜を好きみたいじゃねぇか!!










てゆーか




…好き…なのかな?







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