センセイが好き―恋人は中学教師―
『初めて』の時は突然やって来たから
だから…その、ね。
もうちょっとそーゆう勉強しときゃよかったなー…。
「桜…ほんとにいいの?」
「……いいよ…。…して…?」
桜の身長は俺と変わらないけど
体は驚くほど細かった。
服の上からじゃ分からなかったけど
胸は…結構でかい。
ただ気になったのは
胸にある縫ったような後…。
桜は執拗にそこを隠したがったから
触れはしなかった。
「冬馬…初めて?」
「…聞くな」
「…初めてなんだ…」
「……」
緊張を紛らわす様に話す桜。
そっと愛撫を始めると
体を硬くして黙りこんだ。
時々桜が上げる、鼻から抜けたような甘い声や
ぴくんと反応する指先
全てが俺の脳天を刺激した。
桜の顔にかかった髪の毛さえも
艶めかしく感じてしまう。
嗚呼
俺、いつの間にこんなにも桜に惚れていたんだろう。
身体中の神経全てで桜を感じ
俺の五感全てに桜が記憶されていく。
「桜……好きだ」