センセイが好き―恋人は中学教師―
約束
俺と桜は自然と、恋人と呼ばれる関係になっていた。
「冬馬…冬馬ぁ」
「…ん、何?」
「下着とって」
桜はベッドの下に落ちたピンクの布を指差した。
「…やだ…」
「何でっ!?」
「俺が預かる」
「黙れマセガキッ!!」
「そのマセガキと付き合ってんのはどこのどいつだよ」
「…あたし…です」
こーゆーのを世間ではバカップルって言うんだろうな…。
桜は色素の薄くなった髪を掻き上げながら、唇を尖らせた。
そんな…子どもじみた仕草でさえ
愛しくて仕方がない。
けれど最近
桜の様子がおかしい。
「桜?」
哀しげな眼差しで
遠くを眺めることが多くなった。
「…冬馬…」
「ん?」
「ずっと…ずっと一緒だよ?」
「な…何だよ、急に」
桜は何も言わずに微笑み
俺に抱きついた。