センセイが好き―恋人は中学教師―
でも…
だけど…
ごめんなさい、郁人…。
「…あたし…冬馬が好きだよ…。
冬馬しか…好きに……なれないの…」
ごめん…
ごめんね、郁人。
「…そっか」
酷く、冷たい返事のあと
感情を失くした瞳で、郁人はあたしを見た。
「それでも俺は、あいつに紗羽子を渡す気はない」
郁人は再び、あたしを押さえ付けた。
「…やっ…郁人……やめて!」
「抵抗したら、今までの俺らの関係…あいつに喋るぞ」
「っ!!」
今までの…関係…
喋られたくない。
知られたくない。
あたしは、無意識に抵抗を止めていた。