昨日のわたしにさよならを
祐樹は慣れた手つきで、DVDをセットする。
私は、ベットの上に座って、壁に寄りかかりながら待っていた。
「ほい、始まった」
「ありがとー」
映画は、少し前に流行ったアクション映画。
祐樹が観たいって言って、借りたもの。
正直、私はアクション映画は別に好きじゃなかったけど。
それでも、今日はなんでもよかった。
映画は、在り来たりな設定で。
祐樹は「面白かったー!」と満足してたけど、私にとっては普通だった。
「面白かったねー」
そんな思ってもない言葉を、言った。