わたしの愛した知らないあなた 〜You don’t know me,but I know you〜
⒉
一時間ぐらい経ったろうか。一花はマンションのダイニングで温かいココアを飲んでいた。
こうなるまで何をしていたかと言うと、ちょっとした言い争いの末、お風呂で温まって、服を乾かしていたのだ。
「え、いいよ。拭いたし大丈夫」
一花は貸してもらったタオルを返しながら言った。
「体冷えてるでしょう?風邪ひきますよ」
「いいよ……」
この家で今更お風呂借りるのって、すごく何というか……
「入って?なんなら服を脱がせて差し上げましょうか?」
榛瑠はにっこり微笑みながら言った。
「入るから!自分でするから!」
……まったく。ああいう聞き耳もたないところって、なんでそのままなんだろう。
そう思いながら、出してもらったココア飲む。体はすっかり温まっていたが、それでも、ココアはほっとして美味しかった。
「ところで、いったい何の用だったんですか?」
私服姿の榛瑠がコーヒーを手に、キッチンのカウンターにもたれながら立ったまま聞く。
一花はカップを見つめたまま言った。
「なんでもない。忘れちゃった。……ごめんなさい」
「別に謝まらなくてもいいですが。次は呼んでくれればいいですよ?わざわざ濡れることはない」
「うん……。まあ、元々濡れてたし……。ごめん……」
「謝るのはいいかげん無しで。元々って、いったいどこから濡れてたんですか」
「うん……」
こうなるまで何をしていたかと言うと、ちょっとした言い争いの末、お風呂で温まって、服を乾かしていたのだ。
「え、いいよ。拭いたし大丈夫」
一花は貸してもらったタオルを返しながら言った。
「体冷えてるでしょう?風邪ひきますよ」
「いいよ……」
この家で今更お風呂借りるのって、すごく何というか……
「入って?なんなら服を脱がせて差し上げましょうか?」
榛瑠はにっこり微笑みながら言った。
「入るから!自分でするから!」
……まったく。ああいう聞き耳もたないところって、なんでそのままなんだろう。
そう思いながら、出してもらったココア飲む。体はすっかり温まっていたが、それでも、ココアはほっとして美味しかった。
「ところで、いったい何の用だったんですか?」
私服姿の榛瑠がコーヒーを手に、キッチンのカウンターにもたれながら立ったまま聞く。
一花はカップを見つめたまま言った。
「なんでもない。忘れちゃった。……ごめんなさい」
「別に謝まらなくてもいいですが。次は呼んでくれればいいですよ?わざわざ濡れることはない」
「うん……。まあ、元々濡れてたし……。ごめん……」
「謝るのはいいかげん無しで。元々って、いったいどこから濡れてたんですか」
「うん……」