わたしの愛した知らないあなた 〜You don’t know me,but I know you〜
「うん、ごめんね。でも……」一花は榛瑠の首に腕を回して抱きつきながら言った。「ねえ、榛瑠は、その、寂しくないの?わたしと会えなくても」
だんだん声が小さくなる。恥ずかしい。でも、聞いてみたい。寂しいって言って欲しい。
「寂しいですよ?」
期待した答えに一花は腕に力を込める。聞きたがってるから、言ってくれる。わかってる。
「でもね、それも結構悪くないよ。私には」
意味がよくわからなくて一花は榛瑠の顔を見た。そんな彼女の髪を榛瑠が撫でる。
「誰かを想って寂しくなるなんてこと、今までないから。自分で自分のこと笑いたくなるぐらいですよ」
「……おかしくない」
一花の口調が少し強くなる。
「うん、その手前で留まってる。あなたに失礼だしね。でもね、なんなんだろうね、これ」
そう言って榛瑠は小さく笑うと、一花をぎゅっと抱きしめた。
「愛してるよ、一花。バカみたいに」
耳元で囁かれたその声は優しくて、一花は目眩がしそうだった。
「……うん。知ってる」
一花は榛瑠に囁き返した。言われた方は微笑んだ。
「生意気でいい返事だ」
そう言って一花を見る。
金色の目に吸い込まれそうだった。それから優しくそっとキスをされた。涙がにじむ。
「わたしも好きだから。大好きだから」
榛瑠は震える声で言われたその言葉に返事を返すことはなく、ただもう一度強く抱きしめた。
だんだん声が小さくなる。恥ずかしい。でも、聞いてみたい。寂しいって言って欲しい。
「寂しいですよ?」
期待した答えに一花は腕に力を込める。聞きたがってるから、言ってくれる。わかってる。
「でもね、それも結構悪くないよ。私には」
意味がよくわからなくて一花は榛瑠の顔を見た。そんな彼女の髪を榛瑠が撫でる。
「誰かを想って寂しくなるなんてこと、今までないから。自分で自分のこと笑いたくなるぐらいですよ」
「……おかしくない」
一花の口調が少し強くなる。
「うん、その手前で留まってる。あなたに失礼だしね。でもね、なんなんだろうね、これ」
そう言って榛瑠は小さく笑うと、一花をぎゅっと抱きしめた。
「愛してるよ、一花。バカみたいに」
耳元で囁かれたその声は優しくて、一花は目眩がしそうだった。
「……うん。知ってる」
一花は榛瑠に囁き返した。言われた方は微笑んだ。
「生意気でいい返事だ」
そう言って一花を見る。
金色の目に吸い込まれそうだった。それから優しくそっとキスをされた。涙がにじむ。
「わたしも好きだから。大好きだから」
榛瑠は震える声で言われたその言葉に返事を返すことはなく、ただもう一度強く抱きしめた。