わたしの愛した知らないあなた 〜You don’t know me,but I know you〜
解散の時刻に合わせて須賀もバイトを上がった。予定より遅くなったが、もちろん時給はでるし、色々食べさせてもらったり、いいことだらけだったな、と帰り支度しながら思っていた。
まあ、一花さんとあんまり話せなかったとか、それより何よりあの金髪がなんかムカついたけど、しゃあない。
三人の客もコートを着たりしながら話している。吹子には松岡が後ろから着せている。
二人ともその仕草が自然で真似できんなと思う。
「だけど、彼も丸くなった方よね。許してあげるか」
吹子が言っている。四条のことだろう。
「元からああですよ、滅多に怒ったりしてなかったし」
「そうだけどさあ」松岡の言葉に言い返したのは吹子でなくショータだった。「あいつ高校の時はさ、たまにだけど刺しそうな目してたじゃん」
「お前だからだろ」
「確かに、バカ言って殺されるっとか思ったことあったけど。じゃなくてさ」
「……あったわね」
「あったけど」
「それ考えりゃあ、マシになったって」
「……まあ、な」
三人は改めて店の者と挨拶を交わすと出て行く。
「じゃあ、俺も帰ります。お疲れ様でした」
「お疲れ様。気をつけて帰ってね」
ノコの言葉に笑顔を返して店を出ると、三人とも店のすぐそばにまだいた。松岡が電話をかけているようだった。
まあ、一花さんとあんまり話せなかったとか、それより何よりあの金髪がなんかムカついたけど、しゃあない。
三人の客もコートを着たりしながら話している。吹子には松岡が後ろから着せている。
二人ともその仕草が自然で真似できんなと思う。
「だけど、彼も丸くなった方よね。許してあげるか」
吹子が言っている。四条のことだろう。
「元からああですよ、滅多に怒ったりしてなかったし」
「そうだけどさあ」松岡の言葉に言い返したのは吹子でなくショータだった。「あいつ高校の時はさ、たまにだけど刺しそうな目してたじゃん」
「お前だからだろ」
「確かに、バカ言って殺されるっとか思ったことあったけど。じゃなくてさ」
「……あったわね」
「あったけど」
「それ考えりゃあ、マシになったって」
「……まあ、な」
三人は改めて店の者と挨拶を交わすと出て行く。
「じゃあ、俺も帰ります。お疲れ様でした」
「お疲れ様。気をつけて帰ってね」
ノコの言葉に笑顔を返して店を出ると、三人とも店のすぐそばにまだいた。松岡が電話をかけているようだった。