わたしの愛した知らないあなた 〜You don’t know me,but I know you〜
もういいい、嫌ってくれなくても。私が今度こそ嫌ってやる。
なんで捨てちゃうの?ねえ、どうして?
ねえ、どうしてそんなものまで用意して、それなのに、わたしのこと忘れちゃうの?どうしてよ?榛瑠のばかっ!
通りは自分とはなんの関係もないクリスマスの灯りがキラキラしている。
目の前のそんな風景が滲む。もう少しで涙が落ちそうになった時、後ろから強い力で抱きしめられた。足が止まる。
一花は振り向かなかった。ただ声が震えないようにゆっくり呼吸をして、そして言った。
「離して」
「嫌です」
抱きしめたまま榛瑠が言う。でも、気持ちは揺らがなかった。
「離しなさい。あなたにこんなふうにしてもらいたくない」
「嫌です。別に謝るつもりもない」
じゃあ、何よ!と叫びそうになった一花の首にキラッとしたものがかけられた。
「あなたは自分のことをひどい人間だと言ったけど、僕もひどい人間なんですよ。あなたが捨てたくてもできない人だってわかった上で、嫌がっているものを首につけさせるくらいには」
それは小さな星の形をしたダイヤのついたネックレスだった。
「偽物の星です。……似合いでしょう?僕もあなたにとっては偽物でしょうから」
「え、あ……」
一花は怒りと何より悲しみで声が出なかった。
なんで捨てちゃうの?ねえ、どうして?
ねえ、どうしてそんなものまで用意して、それなのに、わたしのこと忘れちゃうの?どうしてよ?榛瑠のばかっ!
通りは自分とはなんの関係もないクリスマスの灯りがキラキラしている。
目の前のそんな風景が滲む。もう少しで涙が落ちそうになった時、後ろから強い力で抱きしめられた。足が止まる。
一花は振り向かなかった。ただ声が震えないようにゆっくり呼吸をして、そして言った。
「離して」
「嫌です」
抱きしめたまま榛瑠が言う。でも、気持ちは揺らがなかった。
「離しなさい。あなたにこんなふうにしてもらいたくない」
「嫌です。別に謝るつもりもない」
じゃあ、何よ!と叫びそうになった一花の首にキラッとしたものがかけられた。
「あなたは自分のことをひどい人間だと言ったけど、僕もひどい人間なんですよ。あなたが捨てたくてもできない人だってわかった上で、嫌がっているものを首につけさせるくらいには」
それは小さな星の形をしたダイヤのついたネックレスだった。
「偽物の星です。……似合いでしょう?僕もあなたにとっては偽物でしょうから」
「え、あ……」
一花は怒りと何より悲しみで声が出なかった。