わたしの愛した知らないあなた 〜You don’t know me,but I know you〜
「うーん、指輪はプレゼントしますけど……」
「絶対、おんなじデザインの。私、捨てちゃったって聞いて、ほんとに悲しかったんだから」
これだけは、今でもモヤモヤするんだから。
「悪かったですけど、別に捨ててはいないんですけどね」
「え?うそ。だって…」
「家にはないって言いませんでした?あの指輪、さすがに捨てきれなくて、でもあの時は見たくもなかったので、銀行の金庫に放り込んでおいたんですよ」
「え、じゃあ、まだあるの?」
「あります」
あるんじゃない!早く言って!
「え、じゃあそれ!それがいい!」
口にしてから一花ははっとして急に恥ずかしくなった。自分から指輪くれってしつこく言うのって、はしたない。でも、欲しいんだもん……。
「うん、でも、捨てるつもりでいたので、別のでいいですか?一緒に見に……」
今度言葉を遮ったのは一花だった。
「え?なんで?なんで捨てちゃうの?」
「もういらないですし、見たくないし」
「いるよ!それに買った時のこととか思い出したんでしょ?」
「思い出したよ。でも、見たくないと思ったのも覚えているんだよ」
「そんな……。でも、それがいいのに」
榛瑠が初めてペアで用意してくれたもので、それも指輪で……。
榛瑠が髪を優しく撫でながら、あやすように言った。
「絶対、おんなじデザインの。私、捨てちゃったって聞いて、ほんとに悲しかったんだから」
これだけは、今でもモヤモヤするんだから。
「悪かったですけど、別に捨ててはいないんですけどね」
「え?うそ。だって…」
「家にはないって言いませんでした?あの指輪、さすがに捨てきれなくて、でもあの時は見たくもなかったので、銀行の金庫に放り込んでおいたんですよ」
「え、じゃあ、まだあるの?」
「あります」
あるんじゃない!早く言って!
「え、じゃあそれ!それがいい!」
口にしてから一花ははっとして急に恥ずかしくなった。自分から指輪くれってしつこく言うのって、はしたない。でも、欲しいんだもん……。
「うん、でも、捨てるつもりでいたので、別のでいいですか?一緒に見に……」
今度言葉を遮ったのは一花だった。
「え?なんで?なんで捨てちゃうの?」
「もういらないですし、見たくないし」
「いるよ!それに買った時のこととか思い出したんでしょ?」
「思い出したよ。でも、見たくないと思ったのも覚えているんだよ」
「そんな……。でも、それがいいのに」
榛瑠が初めてペアで用意してくれたもので、それも指輪で……。
榛瑠が髪を優しく撫でながら、あやすように言った。