わたしの愛した知らないあなた 〜You don’t know me,but I know you〜
「そんなに年変わんないじゃないですか。片手で足りてますよね?一応、この席合コンなんですよ」

そう言って、須賀はかっこいいとかわいいの中間みたいな顔立ちでふくれっ面をする。

いや、なんか、ガキっていうか、えっと、そう、ちょっと子犬みたいなんですけども。

「ごめんね。私、こういう席って慣れなくて……」

須賀は明るい笑顔を向ける。

「一花さん、かわいいですね。あ、なんか飲みます?空じゃないですか。あ、すみませーん!」

須賀は近くを通りがかった店員を呼び止める。一花のあんまり飲めないからという言葉は却下されてチューハイが注文される。

須賀のペースに巻き込まれながら、一花は、かわいいって言われてもなあと思っていた。



< 71 / 172 >

この作品をシェア

pagetop