見上げた空の先は


その日一晩救急センターで夜を明かし、次の日総合病院に運ばれた。

ICUで手術を待つ間、空腹で逆に死にそうだったのを覚えてる。

手術は大成功だったみたいで主治医の先生が自慢気に話してた。

そして私は腰椎破裂骨折と膀胱直腸障害と診断された。

神経を傷つけたため、対麻痺になったのだと説明された。

正直実感湧かなかったし、神経傷つけたことで両足の感覚が無くなって本当に自分の足があるのかもわからなくなった。

あるのは分かってるのにまるで切断されたような、足の中が空洞のような感覚。

一生治らないと言われ私は初めて取り返しのつかないことをしてしまったのだと痛感した。

だけどその後悔はやらなきゃ良かったじゃなく、こんな体になるのなら死んだほうがましだったという後悔だった。

手術が終わったあと精神科に移され、このあと様々な病院を転々とすることになる。





< 4 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop