その誕生日はきっと誰かの特別な日。
浮かれた日が始まる、だって誕生日だもん。
誕生日誕生日、一年に一回の特別な日！
朝からそう思ってて、携帯に数人からおめでとうメッセージが届いて。

あれ？

仕事が終わった後に思った。

まっすぐ帰るの？誕生日なのに？

今日は平日、だから誰も集合をかけることもなく、予定は白紙のまま。
会社でも散々うれしくて、いろんな人におめでとうを言ってもらった。
もう、強制的にっていうくらい。

そして会社でも誰も何も言いだしてくれなくて。

終業時間になっても誰も私のところに来てくれない。

帰るのに・・・・、じゃあ、帰ろう・・・・。

「お疲れさまでした。」

ちょっと元気なくその辺の人に声をかけて、廊下に出た。

あと数時間誕生日は残ってるのに、急にただの夕方になった。
普通の日になった。
元々特別でもなかったのかな？

３６５日の中の一日。
そんな一日はこれからも永遠に続く。

順番に誰かの特別な日になる、一人にとってだけじゃなくて、二人の特別の日もあるかも。
今日はただただ私にとってちょっとだけ特別だったけど、他の人には普通の日だった。

エレベーターが地上に降りて舞い上がって広げていた翼もしょぼんと折りたたんだ、そんな感じ。
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