その誕生日はきっと誰かの特別な日。
やっと予定された誕生会。
それでも、ちゃんと役目は忘れてないみたいで朝起こしてくれた。
ご飯も食べて、いつも通りに準備もして出かけた。

そうか、他人に頼らなくても自分で自分にプレゼントってありだよね?
アクセサリー以外で考えよう!

今週見に行こう!!


「おはよう。坂本さん。」

「おはよう、甲斐君。」

「ねえ、誕生日楽しめなかった?」

昨日ならまだ分かるのに、今日聞くの?
しかも匠と仲がいいよね。
聞いてるの?


「残念、普通の日だったよ。もう仕方ないから週末に自分でプレゼント買いに行くんだ。」

「誰かくれないの?」

「そこも残念なんです。だから自分で買います。」

「何が欲しいの?」

「分かんない。適当に見ながら考える。」

「恋人が欲しいとかは?」

「それは普通に欲しいです。」

「好きな人いるの?」

なんでそう根掘り葉掘り?
一対一で聞く話題?

「いません。」

「・・・・本当に、いないの?」

「改めて言わなくても知ってると思ってたのに。」

みんなで飲むとさりげなく皆が披露してた。
いる人いない人途中の人終わった人。
隠したい人はいないから不倫はいないと思う。
みんなが順調に恋愛中でハッピーって訳じゃないけど。
そんな中にいるのに匠は披露したことがない、一人秘密にしてるのだ。
私は秘密にしたいこともないとバレてるはずだった。


「だいたい、甲斐君もそんなに興味ないでしょう?」

何で朝からそんな話をするんだ!

「まあ、僕は、まあ。」

「あ、そう、知ってます。」

「じゃあどんな人が好きなの?」

まだ続けるの?

「知りません。目と鼻と口がついて手足がついてる人です。」

「何で怒るの?」

「もう、そんな事朝から聞かないでよ。自分が可哀想になるんだから。」

「そう?」

「甲斐君にはわかりませんか?じゃあ結構です。もう忘れて、この話はお終いです。」

「分かった。十分、分かったからいい。」

分かっただと~・・・・、そんな事言うなんて、そんなデリカシーない人?
いつもは普通に優しいのに。
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