その誕生日はきっと誰かの特別な日。
二日遅れの誕生会。
で、何でこうなったんだろう?
まあ、こうなるか。
いつものメンバーが集まった。
ほぼ同期と、隣近所の課の仲良し先輩。
私は本当に端数しか奢られないんでしょうか?
二人なら端数だと思うけど、みんなだと適当な金額かな?
それよりも、やっぱり匠も誘われた、それはいつものことだけど。
ただ、席が遠かったから良かった。
いつもは近くにいることが多い。
近くにいなくてもいつの間にか近くの空いた席に来て、なんだかんだといろいろ喋る奴だから。
何だか気まずい気がして、目も合わないし、挨拶もしてない、たった二日だけど、珍しいかも。でもそんな事に気がついてる人はいない。
「誕生日おめでとう。」
隣の課の先輩だ。一個上なのに、年下グループにもすっかり溶けこんでいる。
誕生日の日、先輩にもちゃんと教えておめでとうは言われた。
ただそれだけだったけど。
「ありがとうございます。半田先輩。誕生日は二日前でしたが。」
「うん、覚えてるよ。来年までは覚えてないけど。」
「また言いますので、思い出してください。」
「了解。いい誕生日になったでしょう?」
この時間差攻撃は何?
「普通の日でしたが。」
「またまた~、知ってるよ~。」
「はい半田先輩、あっちで呼んでますよ。その席は開けてくださいね。」
「何何?僕?」
「先輩早々と酔っぱらっていいですね、安上がりです。その辺でウーロン茶に切り替えないと今日こそ置いて行かれますよ。」
「里佳子ちゃん、連れて帰ってくれてもいいのに。」
「あいにくうちはイケメンしか泊まれないんです。審査基準が異様に厳しいのです。残念ですが諦めてください。」
「冷たいなあ。まあいいや。音羽ちゃん、良かったね。」
そう言って手を振っていなくなった。
何が?誕生日が?
「飲んでる?食べてる?」
「うん。一応主役だからね。」
「ねえ、ちょっと外に出ない?」
「どうしたの?」
「いいからいいから。」
そう言って手を引かれて外に出た。
もちろんお店の外だった。
小さいお店で、車も通らない通りにいろんなお店が並んでいる。
反対側は有名な公園だ。
後もう少し涼しくなって紅葉の季節になったらライトアップしてくれるんだけど。
今は普通の街灯だけ。
ちょっと薄暗いし、寂しい。
それでもいろんなお店から元気な声がするから、まあいいか。
「どうしたの?」
「ちゃんと話をした方がいいと思って。いろいろ誤解してる。何でそうなったのか、二人の話を聞いても分からない。だからもう一回、どうぞ。」
二人?
そう言って歩いて行った先にいたのは匠だった。
何で?
見えた瞬間足が止まった。
「なんだか喧嘩みたいになってるじゃない。誰もハッピーじゃない。ちゃんと話をして、聞いて。じゃあ、ごゆっくり。」
そう言って里佳子はさっさとお店に戻った。
立ち止まった私の背中をグイッと押しだすのを忘れなかった。
二三歩歩いたら、匠も寄ってきた。
まあ、こうなるか。
いつものメンバーが集まった。
ほぼ同期と、隣近所の課の仲良し先輩。
私は本当に端数しか奢られないんでしょうか?
二人なら端数だと思うけど、みんなだと適当な金額かな?
それよりも、やっぱり匠も誘われた、それはいつものことだけど。
ただ、席が遠かったから良かった。
いつもは近くにいることが多い。
近くにいなくてもいつの間にか近くの空いた席に来て、なんだかんだといろいろ喋る奴だから。
何だか気まずい気がして、目も合わないし、挨拶もしてない、たった二日だけど、珍しいかも。でもそんな事に気がついてる人はいない。
「誕生日おめでとう。」
隣の課の先輩だ。一個上なのに、年下グループにもすっかり溶けこんでいる。
誕生日の日、先輩にもちゃんと教えておめでとうは言われた。
ただそれだけだったけど。
「ありがとうございます。半田先輩。誕生日は二日前でしたが。」
「うん、覚えてるよ。来年までは覚えてないけど。」
「また言いますので、思い出してください。」
「了解。いい誕生日になったでしょう?」
この時間差攻撃は何?
「普通の日でしたが。」
「またまた~、知ってるよ~。」
「はい半田先輩、あっちで呼んでますよ。その席は開けてくださいね。」
「何何?僕?」
「先輩早々と酔っぱらっていいですね、安上がりです。その辺でウーロン茶に切り替えないと今日こそ置いて行かれますよ。」
「里佳子ちゃん、連れて帰ってくれてもいいのに。」
「あいにくうちはイケメンしか泊まれないんです。審査基準が異様に厳しいのです。残念ですが諦めてください。」
「冷たいなあ。まあいいや。音羽ちゃん、良かったね。」
そう言って手を振っていなくなった。
何が?誕生日が?
「飲んでる?食べてる?」
「うん。一応主役だからね。」
「ねえ、ちょっと外に出ない?」
「どうしたの?」
「いいからいいから。」
そう言って手を引かれて外に出た。
もちろんお店の外だった。
小さいお店で、車も通らない通りにいろんなお店が並んでいる。
反対側は有名な公園だ。
後もう少し涼しくなって紅葉の季節になったらライトアップしてくれるんだけど。
今は普通の街灯だけ。
ちょっと薄暗いし、寂しい。
それでもいろんなお店から元気な声がするから、まあいいか。
「どうしたの?」
「ちゃんと話をした方がいいと思って。いろいろ誤解してる。何でそうなったのか、二人の話を聞いても分からない。だからもう一回、どうぞ。」
二人?
そう言って歩いて行った先にいたのは匠だった。
何で?
見えた瞬間足が止まった。
「なんだか喧嘩みたいになってるじゃない。誰もハッピーじゃない。ちゃんと話をして、聞いて。じゃあ、ごゆっくり。」
そう言って里佳子はさっさとお店に戻った。
立ち止まった私の背中をグイッと押しだすのを忘れなかった。
二三歩歩いたら、匠も寄ってきた。