その誕生日はきっと誰かの特別な日。
お互いに近寄った距離。
「似合うから。他の誰にも似合わない。音羽のために買ったんだから。」

ちょっと待ってよ・・・・・・・。
えっと髪はもういい。降ろそう。馬鹿みたいだし、キスをしてくれと言ってるようじゃない?
言ってませんから。

腕は・・・・いいの?
それに後ろからじゃチェーンしか見えないのに、似合うって何?
別に、このデザインなら、誰でも似合うよ。
それに何でいきなり音羽って言うの?


だから返事がまだだって・・・・・。

そう思ったのに。
「ちゃんと前から見て似合うって言ってよ。そこからじゃ見えないじゃない。」

てっきりさっきの位置に戻ると思ってたのに、私がくるりと回された。

当然向かい合った。

「似合うよ。いつもしてて欲しい。」

ねえ、そんなロマンチックなタイプ?
いきなりこんなものくれたり、レストランで出したり、ああ・・・・それはあの二人の指導のお陰か。

「ねえ、あのレストランで受け取ってたら、首にはしてくれなかった?」

「さすがに外に出てちゃんと口にしてたよ。」

そう言ってキスをされた。

違うっ!!
首筋のキスの話じゃない!!今はネックレスの話でしょう?

だから返事がまだだって・・・・・・・。

それでもしばらく目を閉じて腰を引き寄せられるままにじっとしてた。
< 17 / 20 >

この作品をシェア

pagetop