その誕生日はきっと誰かの特別な日。
「でもいい所だね。来たことあるんだ、特別な時に使ってもいいくらいなのに。」
「そうだろう?特別な時に使うんだよ。」
「ふ~ん。」
何度か使ったんだ、特別に。
「料理は勝手にコースにしたから、別にいいよな。」
「それはもちろん、奢りならどうぞどうぞ。お任せいたします。」
笑顔で奢られてやる。
「やっとご機嫌になったか?」
「別に不機嫌じゃないよ。ただ、ちょっとだけ寂しかっただけだよ。現実は私の特別な日に意味はないんだなあって。」
「まあ、それはおいおいな。」
お酒が運ばれてきた。
グラスに注いでもらって、乾杯する。
ろうそくに火が入り、テーブルにキャンドルホルダーのガラス越しの赤い輪ができる。
いい雰囲気。
・・・誰と来たのよ、何で今日もここなの?
グルっと店内を見回した。
さっき一人で先に入っていた女の人がいた。
テーブルで静かに本を読んでいて、すごく綺麗な人だった。
一人でもなんとなくこんなお店が似合うって思ったけど、丁度待ち合わせの人が来たみたいで。
男の人に声をかけられた、その瞬間の笑顔を見た。
やっぱり綺麗だった。
思わず見とれるくらい。
大人の男の人が、ゆっくり荷物を下ろしながらジャケットのボタンを外して、笑顔を返す。
素敵な二人だった。
しばらくぼんやりと二人を見ていた。
「もしかして知り合いなのか?」
「へ?」
「さっきもあの人、見てたよな。知ってる人か?」
「ううん。綺麗な人だと思って見てただけ。」
「まあ、そうかもな。」
まあ、じゃないくらい綺麗だよ。
好みは別にして誰もがそう思うくらいには。
多分今日は少しおしゃれもしてるんだろう。
なんだか私もお気に入りのスーツにしたけど、何だかやっぱり違うなあ。
ゆっくり自分の恰好を見て、ため息をついた。
顔をあげたら、ぼんやりしてグラスを持つ匠と目が合った。
ゆっくり視線をそらされた。
「そうだろう?特別な時に使うんだよ。」
「ふ~ん。」
何度か使ったんだ、特別に。
「料理は勝手にコースにしたから、別にいいよな。」
「それはもちろん、奢りならどうぞどうぞ。お任せいたします。」
笑顔で奢られてやる。
「やっとご機嫌になったか?」
「別に不機嫌じゃないよ。ただ、ちょっとだけ寂しかっただけだよ。現実は私の特別な日に意味はないんだなあって。」
「まあ、それはおいおいな。」
お酒が運ばれてきた。
グラスに注いでもらって、乾杯する。
ろうそくに火が入り、テーブルにキャンドルホルダーのガラス越しの赤い輪ができる。
いい雰囲気。
・・・誰と来たのよ、何で今日もここなの?
グルっと店内を見回した。
さっき一人で先に入っていた女の人がいた。
テーブルで静かに本を読んでいて、すごく綺麗な人だった。
一人でもなんとなくこんなお店が似合うって思ったけど、丁度待ち合わせの人が来たみたいで。
男の人に声をかけられた、その瞬間の笑顔を見た。
やっぱり綺麗だった。
思わず見とれるくらい。
大人の男の人が、ゆっくり荷物を下ろしながらジャケットのボタンを外して、笑顔を返す。
素敵な二人だった。
しばらくぼんやりと二人を見ていた。
「もしかして知り合いなのか?」
「へ?」
「さっきもあの人、見てたよな。知ってる人か?」
「ううん。綺麗な人だと思って見てただけ。」
「まあ、そうかもな。」
まあ、じゃないくらい綺麗だよ。
好みは別にして誰もがそう思うくらいには。
多分今日は少しおしゃれもしてるんだろう。
なんだか私もお気に入りのスーツにしたけど、何だかやっぱり違うなあ。
ゆっくり自分の恰好を見て、ため息をついた。
顔をあげたら、ぼんやりしてグラスを持つ匠と目が合った。
ゆっくり視線をそらされた。