君と傘。
彼は家はお隣で母同士が仲良く物心着いたころには彼が隣にいることは当たり前になっていた。
高校生になってもずっと同じクラスで離れたことはない。
腐れ縁ってやつなんだと思う。
「透明の下着ってエロいなぁ……。でも、まだ実物は見たことないんだよ」
“実物は”という言葉に引っ掛かったが、聞いてなかったことにしよう。
「でもさ、透明ってどうなんだろ。やっぱエロってのは見えそうで見えないってのがロマンなんだと思うんだよね。階段を上がるときに上にいる女の子のスカートとか、見え、見え、見え、……なかったぁぁって心のなかで騒ぐのがロマンだと思わない?」
「階段で私が前歩いていたら、そう思いながら見てたの?普通に気持ち悪いんだけど」
「まぁ、美少女に限るって言うよな。………って、いった。殴るのひどくない?てゆーか、褒めてるかもしれないじゃん。毎朝、眺めさせてもらってますーってことかもしれないでしょ」
「褒めてるの?まぁ、なら、許してあげなくもなくもない」
「こりゃ、今年の誕生日プレゼントは鏡で決定だ。どんな形がいい?……もう、いたいって」
小さく笑う彼にまた肘を食らわした。