好き。好き。大好き

寝られなくなって数か月

病院にも行きたくなくて
無理やり寝ようとすると、
祐介を思いだすから、指輪も外した。
勿論、ケースには入れてあるけど

ピンポーン
ピンポーン

こんな朝早くに誰だろう?

「はーい」

って、なんで?
チェーンで全部までは開かないけど
隙間から見える焦ったような表情の祐介

「か、かえって!」

ドアを閉めようとしたとき
足でドアを閉められないようにされてしまった

「チェーン外して」

「い、いや」

「心菜。頼むから。抱きしめさせてくれよ」

!?

どうして?
あの女の人がいるじゃない

見ているのが嫌で、学校も変えたのに

「心菜っ頼むから・・・」

「足、離して」

離してくれた足でドアを閉めて
チェーンを外したあたしは
恐る恐る再度ドアを開けた瞬間

家の中に入ってきた祐介によって
後ろにドアがある状態で
抱きしめられた

「なんで・・・」
何で、そんな必死なの?
< 106 / 109 >

この作品をシェア

pagetop