好き。好き。大好き

竜也は、あたしたちが出すのをあまり好まないから

それでも、普段、仲間内で飲みに行く時は割り勘だからと言っていたのを想いだす

「いや。先輩悪いです」

「いいんだよ。秋ちゃんの前祝だと思えって」

ぷっ

「何笑ってんだよ。心愛」

「前祝って」

そんな大げさなもんじゃないでしょ?

「いいんだよ。普段会えない姪っ子なんだから」

そういう事か

「確かにね」

「ごちそうさまです」

「いいんだよ。秋ちゃんが、元気に育ってくれれば
俺たちは」

「そう言ってもらえるとうれしい限りです。
秋菜を連れてきて正解でした」

え?

「向こうはね?あまり、こっちに連れてこない習慣があるところでね?
秋菜は純粋な日本人だし、親のあたしたちだけ着て、秋菜だけお泊り保育とかって考えもあったんだけど」

「泣くわね」

「うん。だから、連れてきたの」

それは正解だと思うよ

あたしも

少し離れただけで杏だけ泣かれるとあたしたちも困るわ
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