好き。好き。大好き
「ただいま。心愛」
「あっおかえりなさい」
あっじゃねぇよ。
何を考えてんだよ。心愛
まさか、別れ話じゃねぇだろうな
「心愛。明日開けとけよ?」
「明日?」
両親の所に行く
そう言った俺の言葉に
顔をこわばらせたのを見過ごすわけないだろ?
「何が怖いんだよ」
「だって」
「大丈夫だろ」
そう、安心させるために言ったつもりだったのが
「それでも、あたしは、怖いんだよ」
親がいないだけで、偏見の目で見られる。
ましてや、従姉の親に世話になってる
なんて、早々考え付かねぇからな
「詩織の家族だって、お前の家族同然だろ?
詩織をねぇちゃんだと思えばいいじゃねぇか」
「そうだけど・・・」
「俺の親だって、分かってくれるさ」
「でも」
「俺がいいっつってんのは、心愛だけなんだから
安心しとけって」
「うん」