好き。好き。大好き
翌日

「まだ、緊張してんのかよ」

「だってぇ」

だってじゃねぇんだよ

俺なんかどうすんだよ?

これから詩織の家に行って
お前の両親の墓にまで挨拶に行くんだぞ?

それを考えたら、全然だろ?


ピンポーン

「え?
ちょっまだっ」

まだなんだよ?

「はーい」

そう言って出てきたのは
お袋で

「あら、竜也じゃない。
チャイムなんか鳴らしてどうしたのよ」

心愛に気付いてない?

「親父いる?」

「まだ帰ってきてないけど」

「そうか」

「あら?そちらの可愛い子は?」

「俺の婚約者」

「え?」

え?ってなんだよ

そんなに驚くことでもないだろ?

「あらっやだ。
お赤飯たかなくちゃ!
ほら、早く入りなさい。寒いんだから」

そう言って、家に入れさせてくれる。
お袋。きっと、親父もこんな感じだったんだろうか

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