好き。好き。大好き
「お父さんとお母さんって呼んでも・・・いい?」
新聞をみていたおじさん
菜箸を持ったまま固まってしまったおばさん
ダメだったかしら
「いいに決まってるじゃないの!
全く。何を言いだすかと思えば」
「え?」
「お父さんが引き取った時に
心愛がパパとママって言ってくれたのが、嬉しかったのよ?私たち」
あっ
「いつからか、おじさんとおばさんになっちゃったじゃない?
お父さん。寂しそうだったのよ?」
そうだったんだ
「よかったね?心愛」
「うん」
「着替えていらっしゃい2人とも」
「でも」
「そんな堅苦しい格好なんてしてなくていいのよ。
家族でしょう」
”家族”
「祐介にも同じこと言ってくれたよね?」
「そうそう。慶太にも」
「あら。夕飯くらいは、リラックスして食べてもらいたいわ」
そうだったんだ
「竜也。着替えてきていいよ」
「あぁ。着替えてくる」
「おばさん。祐介呼んでもいい?」
「えぇ。呼びなさい。慶太くんも」
「はーい」
その後
祐介と慶太も来て
子供たちもそろって
みんなで夕飯を食べるなんて考えたこともなかった