好き。好き。大好き

「行くぞ?」

「ちょ、待ってよ」

お母さんの家まで迎えに来てくれた祐介
今いるのが、お母さんだけでよかった。
お父さんがいたらきっと、祐介は、きっと
殴られているかもしれない

「い、行ってきますっ」

「行ってらっしゃい」

手を振って見送ってくれたお母さん

「で?病院どこ?」

車に乗ったのを確認すると、

「桃野産婦人科」

「桃野って」

「うん。祐介のお母さんがいる産婦人科」

「はぁ・・・?」

でも、祐介のお母さんがいた日じゃなかったから

「まだ、知らないはずだよ?
あたしが妊娠してることも、そこに行ってることも」

「マジかよ」

「あたしは、ここで産みたいの」

「分かってる。でも、無理はするなよ?」

「うん」

車が止まったのを確認してから降ろしてくれた祐介

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