好き。好き。大好き

「ねぇ、詩織」

詩織に話してみた。
あたしたちの本当の両親の事。

「そうね。心愛と心菜の父親は、5歳の時に
よそ見をしていた車にひかれて、即死。
その後よ。母親もその後を追うように自殺しちゃったのは」

え・・・?

「ママは、自殺・・・だったの?」

「そう。自殺。
あたしたちが警察に呼ばれていったとき
あんたたちはなくじゃくってたのを今でも鮮明に覚えてるわ。
たった2人だけの両親。だけど、お腹にはキョウダイがいたのに
急にたった2人だけの姉妹になってしまった。
たった5歳の子供には衝撃的だったのかもしれないわ」

え?

「いつもは、、あたしや両親が行けば引っ付いてくるはずのあんたたちが
引っ付いて泣くわけでもなく、泣きじゃくったわけでもない。
亡くなった、両親のそばを必死に離れないで、ずっと泣いてたんだもの」

!?

「だから葬儀も火葬だけにしたの。
あんた達には内緒で」

そうだったんだ・・・
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