きみと手を繋いで眠りたい
「なかったことにしたい?聞かなかったことにしたい?幼なじみを続けたい?」
「……ズルい、そんな聞き方」
「俺、ずっとタイミングを待ってた。間違ったかもしんない。焦ったかもしんない。でも、俺にとっては今だった」
次に泣きそうな顔をしたのは、友紀のほう。
「私、先輩に彼女さんのこと大切にしてくださいって言った。だから先輩への気持ちは、もうない。……でも、それで友紀が好きかもって言いたくない」
かも、なんて中途半端なことをしたくないから。
「だったら、これから俺のことをかもじゃない好きになればいい」
友紀がそっと私の頬に触れた。
それは反則ってぐらい暖かくて、幼なじみとしての友紀の触れ方じゃなかった。
「俺、奈子のこと諦めるつもりないし、他のヤツに渡すつもりもない。だからこれからゆっくりと考えてくれればいいよ」
強引なのか、優しいのかどっちか分からない。