恋愛相手はアスリート。。。
「キャーーー」
突然の叫び声。
え???まさか?
刃物を持った不審者とか?
やばい系?
まさかのさっきのベンツ?
事件が起きたと思った私は
うろたえてその場をチョロチョロとしていた。
「大野先生!!!」
「美結先生!!!」
「早く出てきてちょうだい」
私に助けを求める声が響く。
何持って出ればいい?
とりあえず殴れるもの?
それとも防御のため包丁?
えい!!!と手に持ったのは
ホウキだった。
でもすでに遅し。。。
犯人はみんなに取り囲まれていた。
「あ・・・遅かったですか
みなさんで捕まえたってことですか?
みなさん大丈夫ですか?」
「何言ってるのよぉー
私は驚きで声が出なかったわよ」
園長先生が珍しくおどおどしている。
「え?
誰か被害に遭っちゃったんですか?」
の質問と同時に聞こえてきたのは
「木山選手!どうしてここに?」
「木山選手!本人ですよね?」
「カッコイイ!」
他の先生たちの黄色い声と
園児の騒ぐ声。
木山選手?
勇さん?
「握手してください」
と囲まれている。
「え。。。勇さん?」
勇さんは出てきた私の姿を見て
笑いながらこう言った。
「お前なぁ
ほうき持って現れるなよ」
「え?あ•••」
高く振り上げてたほうきを
そろりと降ろした。
「事件かと思って」
「車見ればわかるだろう」
だって 勇さんがこんなところに
現れるとは予想もしてないし
だって今日試合でしょ?
「何しに来たんですか?」
「あそぼあそぼ」
その間も勇さんに群がる園児たち。
高橋さんたちが
「どんな関係?」とコソコソと
私の耳元で尋ねる。