恋愛相手はアスリート。。。


「お友達なんです」


元カノと言うのもどうかと思ったから
あえて友達だと説明をした。


「ちょっと話があるんだけど
園長先生 大野美結を
少し借りていいですか?
5分!5分でいいので」


「良いですけども
5分で話せることかしら?」


園長先生も
私たちの関係を知ってるから
そのくらいの時間で
大丈夫かと聞いた。


「仕事中だから終わってからにして」


私は今話を聞くのを拒んだ。


今更何の話があるのか
わざわざ訪ねてきてまで
何を話すのか。。。


「美結先生が仕事が終わるころは
試合が始まってるでしょ!
忙しい時間を割いて
来てらっしゃるんだから
そこら辺は考慮してあげても
いいんじゃないかしら?」


「ありがとうございます」
勇さんは園長先生に
深々と頭を下げた。


しかし移動しようとしても
園児たちは勇さんから
離れようとしない。


わかる!わかる!
いつもテレビで見る人が目の前に
いるんだもの
野球に興味のある園児は
離れないよね。


すると何を思ったか勇さんは
園児たちに
「ごめんね ちょっとだけ手を
離してくれる?
あとで遊んであげるから」
とお願いをしている。


聞き分けのいい園児たち
さぁーと勇さんの周りから離れた。


「美結 結婚しようか?」


突然の勇さんの言葉に
また周りの先生たちは
「キャー!素敵!」と
目を乙女のようにパチパチさせている。


「結婚?あたしと?
頭おかしいんじゃない?」


冷たく返す私。


「美結先生こそ
頭おかしいんじゃない?」


聞こえてくる外野の言葉。


あなたには彼女いるでしょ!!!
これはみんなの前では言えない
言ったら勇さんがへんな目で
見られてしまうから。


周りから見たら
私はイケメンから
結婚を申し込まれて
拒否るバカな女。



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