恋愛相手はアスリート。。。
木山さんは「牛レバー
カルビ ロース ホルモン味噌味」
と早口で言って
「おい!間違えず持ってこいよ」
と次々とお肉を注文した。
「いきなり注文ですか
もう一回お願いします
聞いてませんでした」
「余計なことを話してないで
仕事しろ」
「はいはーい」
きっと彼女のことを
これ以上 突っ込んで
聞かれたくなかったのだと私は思った。
「大丈夫ですか?
あたしなんかとご飯食べてて」
「うん?どーして?」
「彼女さん 怒りませんか?
あたしだったら
タダでは済ませませんよ
キレまくります」
「あはは そーなの?
そんな風に見えないけど?」
「あたしそんなに心広くないですよ」
人は見かけによらないって言うけど
そーなんだね と感心されてしまった。
「それにあたし
取っただ 取られただと言う
揉め事大嫌いなんで」
「そんな経験あるの?」
「あ・・・」
墓穴掘っちゃった。
「まあ。。。」
「取った方?取られた方?」
「あたしの話はいいですって」
「フフフ 取られた方か。。。」
「違いますよぉ〜」
「取った方か。。。」
「違いますって
それより早く食べて出ましょう
人の口って どこにどう広がるか
わかんないですから」
「誰に気を使ってる?」
「誰って彼女さんですよ」
「彼女じゃないって!
あいつが言ったのは
監督の娘なの
賭け事してて負けたから
肉を食べに連れて行く!って
それでここへ来ただけ」
「別にそんな必死に否定しなくても
彼女でも彼女じゃなくても」
ーーーあたしには関係ないですから
その言葉は木山さんとかぶった。
「そー言うと思った」って。