恋愛相手はアスリート。。。


「クリスマスの予定は?」


「それがですねぇ」
と真由子のことを
『相手のいない者同士
一緒に過ごそうね!と
約束してバイトも休みを取ったのに
バイト先の子といい感じになって
私との約束なんて
そっちのけなんですよぉ〜』
と愚痴るように話した。


「裏切られちゃった感じ?」


「そう!そーなんですっ!
ひどい話でしょ」と笑って話す。


「それならさぁ
同士で一緒に過ごす?」


「同士・・・ですか?」


「そう 恋人いない同士」


私と木山さんが?
クリスマスを?
一緒に?


「えっ???えっ???
えーーーー」
えー!!!の言葉しか浮かばない。


「どうした?突然大きな声出して」


「すみません・・・
あのぉ・・・
クリスマスに木山さんとですかぁ?」


「うん それが?」


「うそっ。。。」


「うそって?」


「贅沢すぎます!
ファンの人達に申し訳ないです
クリスマスという大切な日なのに
こんなあたしの様な一般人と・・・」


「大袈裟っ!」


「いえいえ 大袈裟とかじゃなくてぇ」


「と言うことは
了解してくれるってことで
また時間と場所は
お店をチョイスして連絡するわ」


「マジですかぁ・・・」
少し声のトーンが下がる私に
一緒に過ごすことを
嫌がってる様に取れたらしく
「そんなに嫌?」と
木山さんが聞いてきた。


「いえいえ!
全然嫌じゃなくて
そーじゃなくて
うーんなんて言えばいいんだろ」


一生懸命訂正しながら
最後に虫の声の様に小さく
「嬉しいです」と答えた。


まるで好きだと
告白したようなものだが
当の本人は
そうは取っていないようだった
それが何よりの救い。


こんなにも切り替えのできる女だとは
自分のことなのに感心する。


もう恋なんてしない
そんな言葉撤回。



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