恋愛相手はアスリート。。。
「さっき有名人らしき人と
ぶつかっちゃった」
「誰?誰?」
「う〜ん わかんないなぁ
ただガッチリした大きな人だったような」
「誰なんだろうねぇ・・・」
「さぁ?わかんない
わかんないから他のお客様なのかな?」
「なんだぁ・・・」
さっさと着替えを済ませ
会場へと向かった。
お客様は会場入りを始めていて
私たちは横のホールで
飲み物や食べ物の最終確認。
やっとパーティ開始
森永康之さんの挨拶から始まり
招かれた方のお祝いの言葉
私たちはその間会場の両サイドに
分かれて姿勢を正しそれを聞いていた。
「この中に居る?
ぶつかっちゃった相手」
コソッと小声で聞いてきた。
「う〜ん こうして見てるんだけど
わかんない」
少し背伸びをして会場内を見てみたが
わからない。
「じゃあ 違う会場の人かもね」
「そうだね」
「あっ。。。あれ
3番テーブルの人!
本間美紅じゃない?」
「ほんとだぁ!!!
顔ちっちゃいねぇ
さすが女優さんだけあって
綺麗だよねぇ」
「大物の演歌歌手
瀬野五郎もいるじゃん」
「すごっ!!!
あれは・・・高梨雄二じゃん
ものまね芸人の!」
「わぁ〜超カッコいい!」
話してると「ゴホンっ」と
突然 隣から咳こむような声がした。
すぐに横を見るとバイトの伊達くんに
「うるさい!静かにしろ」
と注意をされてしまった。
「あっ・・・すみません」
「それだからミーハーなやつって
困るんだよね
社長にあれだけ釘を刺されてるのにさ」
「ちょっと!ミーハーって何?
ただあの人も居るね
この人も居るねって
話してるだけでしょ」
言い返す真由子の声が
少しだけ大きくなる。
「真由子!シッ!」
この伊達くんは真由子のことを
お気に入りなのはにわかってる。
だから真由子がカッコいいとか
言ったら腹がたつのだろう。
当の本人は気づいていない。
私が「伊達くんってきっと真由子のこと
好きなんだと思うよ」っていうと
「違うよぉ それこそ美結じゃない?
いつも見てるもん」って。
違うし!
あたしを通り越してその目線は
真由子なの!
真由子もまんざらじゃないくせに。。。
ここは静かに様子を見てようと
思ってるこの頃。