【続】アーモンド~キミとの未来~
創汰はくすっと小さく笑う
大学に入る前の千咲は今より明るく無かった
秋斗と連絡取れなくなったあの日からしばらく暗く落ち込んでいた
「お前、本条といつから仲良いんだ?会ったのは初めてだけど」
「んと、入学式して半年経ったときかな」
「へぇ」
千咲は瑠花と出会ってからいつも明るい千咲に戻りつつあった
おそらく瑠花も千咲から何かしら聞いているはずだと睨んだ
「瑠花って見た目はクールな感じだけど物知りだし優しいし同じデザイナー科だし」
「ま、良かったんじゃないか」
「ふふっ、そうだね」
そんなまったりとしたひと時を過ごしたあと電車を乗り継いでNOAHの近くまで歩く
「じゃあこれからバイトだから行くね」
「ああ。なんかあったら連絡いれろよ」
「分かったわ」
そう言って裏口からお店に入っていく
見送り届けた創汰は、ふぅとひと息付く
とりあえずその場を離れて近くの公園に行きベンチに座る
そしてずっと思ってることをそっと口に出すのだった
「なぁ…秋斗先輩、あんたどこにいんだよ!千咲がどんな気持ちでいると思ってんだよ…」
創汰はやるせない気持ちに駆られてきた
……あの日からずっと
fin.