【続】アーモンド~キミとの未来~
*
それから三年の月日が流れた現在
なに一つ秋斗の情報が流れてきていない
どこにいるのかさえも、生きているのかさえも
「はぁ…」
いま思えば秋斗のことを全然知らない
唯一知ってるのはすごく優しくて勉強や運動が出来て紳士的で意外なことに甘いものが大好きだということだ
秋斗自身のことを知るチャンスはいつでもあったと後悔しながらため息を付く千咲
「千咲」
「……」
「千咲ってば」
そんな千咲を瑠花が何回も呼ぶがまったく反応がない
瑠花は仕方なく冷たい飲み物を頬に当てる
「わぁっ」
「ちょっとボーッとしすぎじゃない?講義そんな難しかった?」
「え、そんなことないよ?考えごとしてただけだよ」
ふぅん、と返事をする
二人はいま午前中の講義を終えてお昼休みのために食堂に来ていた
ずっと考えごとをしてる千咲
瑠花はなんとなく何を考えてたか分かった
「あんた、いまずっと連絡取れないって言ってた人のこと考えてたでしょ」
ずずーっとジュースを啜りながら直球で言うと千咲はギクリとした
瑠花も秋斗の話を少しは聞いていた
だからだいたい彼女がなにを考えているかお見通しなのだ