【続】アーモンド~キミとの未来~
「そ、そんなこと…無くはないけど…」
曖昧な返事だったがやっぱりか思った
あれから大学生活やバイトをしながらも秋斗のことを忘れたことはなかった
「えーと…なんだっけ?名前」
「秋斗先輩」
「そうそう。……秋斗さんから一切連絡ないわけ?」
「うん…」
明らかにわかりやすく落ち込む千咲
瑠花はそんな千咲を見てはぁ、とため息をする
大学に入ってから仲良くなったため高校時代をお互い知らない
だけど瑠花は千咲がどれだけ優しくて思いやりのある子だとすぐに見抜いた
「千咲、なんかあったらいつでも話聞いてあげるからそんなに落ち込まないでよ」
「瑠花…」
「あんたは一人じゃないの。私やうさくん、高校時代からの友だちだっているんだから全部背負っちゃダメよ?」
「ありがとう瑠花」
瑠花に励まされてやっと笑顔を取り戻した千咲
そんなやり取りをしていると創汰が珍しく友だちと一緒にやってくる
「千咲」
「創汰!……と、その人は?」
「あれ?八尋じゃん」
「あー、久しぶり!瑠花!」
八尋と呼ばれた青年
どうやら瑠花と知り合いらしい
彼の名前は仁科 八尋(にしな やひろ)
創汰と同じ写真科の生徒だ