【続】アーモンド~キミとの未来~
そう言って創汰は写真科のほうへ歩いていく
大聖堂ホールの場所の方向は同じものの学科別に座るためそちらへ歩いていく
「ちーさき!」
ぼーっと創汰が行った方向を見ていると誰かががばっと肩組みをしてきた
それは綺麗なアッシュグレー系で肩より少し長いセミロング髪にキリッとした猫目をした美人だ
「あ、おはよ瑠花」
「ん、おはよ」
挨拶すると手を話す
彼女は本条 瑠花(ほんじょう るか)
千咲が大学に入ってから出来た友だちだ
同じデザイナー科に入っている
「そいや、あんたが見てた方向って写真科の…えっと」
「創汰のこと?」
「そうそう、宇佐美創汰くん」
大聖堂に向かいながら話す二人
創汰とは遠目からでしか見たことなくて実際会っていない
千咲の話に聞いている程度だ
「うさくん、でいいかな呼び方」
「あはは…」
苦笑いする千咲
創汰を"うさ"と呼ぶの人は珍しくない
そんな話をしているとあっという間に大聖堂に着く
そして次々と学科別に座り入学式が行われた
「……」
入学式では音楽科の在校生の生徒がピアノを弾く
毎年恒例の歓迎の意味で弾かれるのだ
大聖堂には綺麗な音色が響き渡る