眠り姫
そして家に帰って色々質問された。

蓮「何買ったの?」

なんて答えよう?そうだ!

「ずっと見てただけで買ってないよ」

龍「あんな所に良く飽きずに入られたな」

「楽しかったよ」

蓮「なんで、己龍に捕まった?」

これは、正直に。

「蓮達待ってる間に捕まったんだよ、薬品嗅がせられて」

蓮「これが最後の質問、胸触られた以外に何かされたか?」

「蓮達が来てくれたからされてない」

蓮「良かった」

蓮は私を優しくギュッと抱きしめた。

まるで壊れ物を扱うように。

それから、私は用事を思い出して、部屋に戻った。

用事ってのは。

今日買った便箋に一人一人手紙を書くこと。

蓮、龍、律、奏、紫苑。それに、準先生。

準先生になんで書くかって?

そりゃあ、お金に目が眩んだと言っても、こんな難病、諦めたくなるのに鮮明に頑張ってくれたから。今まで私を育ててくれたお礼。

あ、あと一応、両親にも手紙を書いておこう。

そうして、手紙を書き終わったのは、深夜3時。

もう、眠気が限界で、意識を失った。

次に起きてみると、時計は12時。

お昼まで寝ちゃったんだ。

今日は蓮達とお別れの日。

なんでお別れの日かって?

運命の神様と約束した、この病気を無くすため、

病院に戻るの…

何も言わないで出て行くつもり。

だって、お別れするのが悲しくなっちゃうもん。

あ、いけないけない。

最後だから蓮達とどっかに行きたいな。

そう思い、蓮の部屋に行った。

「ガチャ」

蓮「綾、おはよう。沢山眠ったな」

「うん、あのね、今日行きたい場所があってね?」

蓮「何処に行きたいんだ?」

うーん、何処だろう。

言っといてなんだけど、あ、そうだ!

「遊園地にみんなで行きたい!」

蓮「遊園地か、みんなに連絡取ってみるよ」

蓮が携帯を取り出して、みんなに電話する。

その間、私はみんな空いてますようにと願う。

蓮「綾」

蓮は深刻そうな顔をする

もしかして、行けないの!?

蓮「行けるよー!」

急にぱあっと明るい顔にする。

「さっきの沈黙は何?」

蓮「綾を驚かすためー」

蓮「あっ、ただしもう一つだけ」

蓮が真剣な顔になった。

「何?」

蓮「車椅子で行くこと」

「絶対?」

蓮「ああ」

「分かった」

何はともあれ良かった。
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