眠り姫
紫苑「僕も綾ちゃんと一緒が良かった〜」
律「黙りなさい」
龍「次は何乗る?」
律「そろそろ時間なので、最後になりますね」
奏「じゃあ、観覧車に乗ろう」
龍「そうしよう」
奏「僕は、綾ちゃんとが・・・」
紫苑「奏は、僕とだよ」
律「じゃあ、龍とですね」
この時律は思った、
奏より紫苑の方が空気の読める大人だと。
少し、恥ずかしい。
蓮と二人っきりなんて。
胸がドキドキする。
そして、観覧車に乗った。
先に口を開いたのは、
蓮だった。
蓮「俺、綾と出会えて幸せだよ」
「私も蓮に出会えて心から良かった」
すると、
目から水が。
これが、涙か。
「蓮大好き」
蓮「俺もだ」
観覧車が丁度半分来たところで
蓮は私にキスする。
熱い、熱いキス。
本当なら蓮ともっと、ずっと一緒に行たかった。
だけど
これが私の運命ならば、
今を大切にしたい。
それだけ。
観覧車を降りた後は眠くなったので、
車椅子で寝かせてもらうことにした。
節々から私のことを
病気で可哀想な子と言われてるのを気にせず
起きた時はすでに家にいた。
今何時だろ?
時計を見ると4時50分だった。
もうそろそろ出よう。
身だけを持っていけば良い。
バレないように、
静かに部屋を出て、家を出ようとした時。
父「行くのかね?」
呼び止めたのはお父さんの純平さんだった。
「はい、蓮には・・・」
父「大丈夫、誰にも言わない。自分がしたいように生きなさい」
「はい!ありがとうございます」
私は純平さんに強く頭を下げると、
後ろを振り向かず出て行った。
これで良いんだ。
間違っていない。
向かうは足立病院。
近くでタクシーを拾って乗り込む。
「足立病院までお願いします」
タクシーは何も持っていない私に驚いているが、仕事上客に文句は言えないんだろう。
そんな顔をしてる。
勿論、お金は持ってるよ?
ただ、ポケットに入れてるから持ってないように見えてるだけ