最愛宣言~クールな社長はウブな秘書を愛しすぎている~
二人揃って、祭壇の前に進み出る。新しい未来の始まりを、みんなの前で誓い合う。
これからもきっと、苦しいことも悲しいことも、たくさん襲ってくるだろう。それでも東吾と二人でいれば、なんでも乗り越えられる気がする。
苦しみは半分に分かち合って。幸せは、二人分。今まで失ってきたものを、これからは二人で積み上げていく。新しい家族を、その歴史を、私たちなりに築いていこう。
誓いのキスを、という神父様の言葉に、私たちは再び向かい合った。ベールが取り払われて、東吾と目が合った瞬間、体の奥から愛おしさが込み上げて、同時に強い気持ちで思う。
守りたい。彼の心を、彼を傷つける全てのものから、全力で。
天国の東吾のお母さん、見ていますか?
あなたの代わりに、これからは私が、彼を守ります。
東吾の手が肩にかかって、それからゆっくりと顔が近づいてくる。私は目を閉じて、降りてきた柔らかな感触を、唇に受け止めた。
二人で一緒に、歩いて行こう。
健やかなるときも、病める時も。死が、二人を分かつまで。