最愛宣言~クールな社長はウブな秘書を愛しすぎている~
「それでは、私は食器を片付けたら失礼させてもらいますね。滞りなく職務にお戻りになれますよう取り計らいますので、社長はとにかく体を休ませていただきますよう……」
「帰るのか」
コップの水をちびちび飲んでいた社長がやっと言葉を発した。
「はい。もう私がここにおりましても特にお役にたてることはないかと」
「今からなにか用事でも?」
「というわけではございませんが……」
一応社には戻るけど、すぐに帰宅するつもりだった。
元々私に割り振られている仕事はほぼないし、重要な連絡があれば今日は神崎室長に回ることになっている。
何か頼みたいことでもあるのかとまたしゃがみこむと、お盆を脇に置いた社長の手が伸びてきて、私の腕を掴んだ。
ぐいっ、と。
引き寄せられるまま倒れ込むとベッドの上に座らされて。
気づいたら社長が寝転がっていて、麗しいお顔が私の膝の上に置かれていた。
――うおぉいおいおいおいっ?
「なにをっ……?」
狼狽える私を無視して居心地のいいポジショニングを探すように数回体を動かして、納得できたのか横向きに丸まる形に落ち着いた。