最愛宣言~クールな社長はウブな秘書を愛しすぎている~
する、よね、今から。この流れだと、確実に。
嫌じゃない,いやなわけがない、むしろ嬉しい。でも、一抹の不安が付きまとうのも本音で。
この外見から誤解されがちだけど、私の恋愛経験は決して豊富じゃない。今まで付き合ったことがあるのは二人だけ、しかも一人は高校生の時にキスだけして別れた、完全にプラトニックな関係。男女の関係を持ったのは大学の時に付き合った彼だけ、しかも就職して早々に別れたので、都合五年近く、そういうこととはご無沙汰で。
うまくできる自信がない。そもそもあまりそういう方面は得意じゃない。おそらくそういう方面は百戦錬磨の社長に、満足してもらえる自信は一切ない。つまらなすぎて呆れられたらどうしよう。
一人悶々と考え込んでいると、バスルームの扉が開いた。瞬時に緊張して、背筋がぴんと伸びる。
「なんでそんな隅っこ座ってんの?」
「ちょっと、広すぎて落ち着きませんで……」
バスローブを羽織って濡れ髪をタオルで拭いている姿は、今の私には目に毒だった。あまりに刺激的過ぎて、直視できない。
お前もシャワー浴びてくれば、との社長の言葉にありがたく従って、バスルームに逃げ込んだ。大理石の広い空間は、こちらも夜景を堪能できる。心の余裕があればお湯を張ってゆっくり堪能したいところだけど、生憎今は余裕はない。
手早く、かつできる限り念入りに体を洗う。昨日、エステの予約をキャンセルしないで、本当に良かったと思う。
バスローブの下に下着を着るべきか、なんてお前は処女かと突っ込みたくなるようなことで悩んで、結局上下身に着けて出た(折角お姉さんたちが選んでくれたし)。