最愛宣言~クールな社長はウブな秘書を愛しすぎている~
地下鉄を降りて改札を抜けると、すぐ目の前にあるコンビニは品ぞろえが豊富で、私の御用達だ。
カゴを掴むと一目散にお酒が並ぶ冷蔵庫に向かい、目についた缶チューハイとビールを放り込む。おつまみコーナーでさきイカとチーズ鱈とビーフジャーキーを掴み、レジ横のホットスナックコーナーを睨んで、チキンと焼き鳥と唐揚げとコロッケと、何故かまだ並んでいた季節外れのおでんを買った。
レジを待っている間に携帯を取り出して高速でメッセージを打ち、支払いを済ませると、両手にコンビニの袋をぶら下げて、ずんずん歩く。
点滅する青信号に突っ込んでギリギリ渡り切ると、入り口に溜まった自転車をすり抜けて、遊具で遊ぶ小学生たちを横目に公園の奥まで進んでいった。
やがて辿り着いた大きな湖は周りが遊歩道になっていて、ベンチが点在している。その一つに荷物を置くと、目につくところに誰もいないことを確認して、湖の淵ギリギリまで近づく。
大きく息を吸って、吠えた。
「何が正々堂々だバカやろー! ふざけんじゃねえ!!」
ねえ、ねえ、ねえ……、と小さく声がこだました。
あーすっきりした。
ベンチに戻るとレモンのチューハイを開け、チキンが入った袋を破る。大きく口を開けてかぶりつくと、いかにも体に悪そうな油が口の中に滴り落ちた。しばらく無心で貪り食べて、そのジャンクなおいしさを堪能する。誰が何と言おうと、このおいしさを私は愛する。