"あやまち"からはじめませんか?




しかし彼はそんなこと気にもせず、平然とした顔で言った。


「出来るからやるんじゃ、誰も結衣さんに心開いてくれないと思いますけど」


――ドクン。


嫌な音が心にひびく。


その瞬間、よみがえる記憶。



『会長に任せとけばなんでもやってくれるからいいじゃん』

『結衣ちゃんって正直どういう人なのか分からないっていうか……』

『生徒会長っていうイメージしかないんだよね』


中学の頃。

私は理想の生徒会長でいるのに必死で人付き合いが上手く出来なかった。


頑張って物事を達成しても、誰かと分かち合うことが出来ないさみしさを知っている。


でも……そうでもしなきゃ、私の居場所は無いと思った。


なんの取り柄も無い私がみんなの代表である生徒会長になった。

がむしゃらに頑張るしか、周りに認めてもらえない。


「私がやらないと……」






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