"あやまち"からはじめませんか?



甘いキスがふたたび私の思考を溶かしていく。


「宇佐美く……っんん」


宇佐美くんの熱いといき。

このままじゃどろどろに溶けてしまう。


「言わなきゃこの先、進んじゃいますよ

口の次……どこにキスしましょうか?」


「……や、だ」


すすっと指でなぞったのは私の着ている制服のボタンだった。


ーーゾク。


「分かりますね?」

「……だ、ダメっ」


私が必死に彼の手を押しかえした時。


ーーコツ、コツ、コツ。


遠くで足音が聞こえて来た。


その足音はこっちに向かっている。



「や、宇佐美くん……誰か来るから」


「見られちゃうかもしれないですね。カギかかってないし」


私のあせりとは一転、宇佐美くんは楽しそうに笑う。


「お願い……やめて」

「やめませんよ」







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