"あやまち"からはじめませんか?
ーーガチャ。
扉を開く音。
ああ、もうダメだ。
ぎゅっと目をつぶった瞬間、宇佐美くんから拘束は解かれた。
……え?
ドアは開いていなかった。
「あれ、しまってる……」
そうつぶやく女の子の声が外から聞こえる。
カギはかかっていた。
パタパタと足音が去っていき、宇佐美くんもそっと私から離れていく。
「カギ、閉めたの気づきませんでした?」
ふっ、と笑う宇佐美くん。
「結衣さんの焦った顔、可愛かったです」
最低だ。
宇佐美くんは私の反応を見て楽しんでいた。
そうやっていつも、私をオモチャにして楽しんで。
「……さわら、ないで!」
私は宇佐美くんの手をパシンと振り払った。
「宇佐美くんにとって生徒会なんて、ただの役割の一部かもしれない。
でも私は……本気でやってるの!」